【書評2】「スタンフォード式最高の睡眠」読んでみた。 良質な睡眠は良質な覚醒につながる。
こんにちは、なまこです!
誰しも大切な会議中や授業中に眠くなった経験があるのではないでしょうか。
かくいう僕は、会議中いつも眠いです。
寝てはいけないシチュエーションに限って眠くなるのはなぜでしょうか。
会議が退屈だから?睡眠が十分でないから?睡眠の質が悪いから?
眠気や睡眠に関するトラブルって誰しも経験あるもので、身近な問題だと思います。
でも「睡眠」について深く考えたことや調べたことがある人は少ないのではないでしょうか。
僕は睡眠は大事だということは頭で理解していたものの、睡眠について深く考えたことはありませんでした。
そこで以前、話題になった「スタンフォード式最高の睡眠」を読んでみました。
非常に面白く、睡眠に関する知識がたくさん得られましたので今回、その本について書いてみます!
なぜスタンフォード式なの?
そもそもなぜ「スタンフォード式」なのでしょう。
その理由は世界でいち早く「睡眠医学」という分野に着目し、世界初の睡眠研究機関を設立したのがスタンフォードだったのです。
それだけでなくスタンフォードは、著名な睡眠研究者を多く輩出しており、現在では睡眠研究の総本山とよべる地位を確立しているのです。
つまり睡眠研究の最先端にいるスタンフォードの研究結果を基に、睡眠に関する知見をまとめた本なのです。
う~ん、すごい!
説得力ありますね!
世界一「睡眠偏差値」の低い国、日本
各国の平均睡眠時間の調査をすると次のような結果となります。
・フランスの平均睡眠時間:8.7時間
・アメリカの平均睡眠時間:7.5時間
・日本の平均睡眠時間:6.5時間
さらに日本では睡眠時間が6時間未満の人が40%いると言われています。
別調査ですがミシガン大学が2016年に行った睡眠時間に関する調査によると
日本人の睡眠時間の長さは、、、
100か国中100番目!!(最下位)
という衝撃的な結果であったそうです。
仮に日本人がショートスリーパー体質で、そもそも他国民に比べて睡眠を欲しない民族であるならばこれらの調査結果も納得がいきます。
しかし本の中でショートスリーパーは遺伝的変異によるもので“あくまで例外的“との言及があります。
つまり日本人全体がショートスリーパーである、という可能性はほぼあり得ないでしょう。
日本人は(一部の例外的な人を除いて)ショートスリーパーでないうえに、多くの日本人が「もっと寝たい」と感じているのが現実です。
そして日本人は“希望する睡眠時間”と“実際の睡眠時間”のギャップ(差)が諸外国と比較しても大きいのです。
日本人はもっと寝たいと思いながらも睡眠時間を確保できていないのです。
ちなみにこの「世界一「睡眠偏差値」の低い国、日本」っていう一文は本の中に出てくるものですが、結構ショッキングではないですか?
こんなに恵まれていて、欲すれば大抵の情報が簡単に手に入る日本。
でもそんな恵まれた国の人たちの睡眠偏差値は世界一低いというのです。
そもそも偏差値って勉強すれば上がるのもじゃないですか!
その偏差値が世界最低ということは「睡眠」にきちんと向き合う日本人がいかに少ないかということを表している一文ではないでしょうか。
睡眠のゴールデンタイムの質をあげろ!
日本人は眠りたいけど睡眠時間が確保できていない人が多いというのは先にお伝えした通りです。
最近では深夜営業の店も多く、とりわけ都会に住む人の睡眠時間はここ40年減り続けているのです。
現在日本に住む人にとって十分な睡眠を確保し続けることは極めて困難なのです。
そこで睡眠の質を最大限高めることが重要になってきます。
睡眠の質を高めるために最も大切なのは睡眠のゴールデンタイムと言われる「入眠後90分間」の質を高めることです。
睡眠は深い眠りから浅い眠りを1サイクルとしてこれを繰り返します。そして、この入眠後90分というのは深い眠りから浅い眠りまでを1サイクルする第一周期にあたります。
この第一周期では「眠気の解消」「自律神経の調整」「成長ホルモンの分泌」「記憶の定着」など睡眠がもたらすメリットが最も強く出る時間なのです。
逆に睡眠はこの第一周期が崩れてしまうと、その後の睡眠周期も総崩れとなり結果として睡眠全体の質が低下します。
つまり「第一周期の質が高い」ことは「良質な睡眠」にとって必須なのです。
睡眠のゴールデンタイムの質を上げるには
睡眠のゴールデンタイム(第一周期)の質をあげることが睡眠の質向上のうえで最も大切であることはわかりました。
では具体的にどうやってそのゴールデンタイムの質を上げるか?ということになります。
ポイントは以下の2つです。
・体温の変化
・脳のスイッチ
まず体温の変化についてです
- 体温の変化
睡眠の際には体の深部の温度が下がります。
つまり深部体温を意図的に下げれてやれば効率よく入眠できるのです。
- 脳のスイッチ
いつもと違う環境(例えば出張先のホテルとか、寝具を変えた時とか)になるといつもより寝付きにくいという経験があるのではないでしょうか。
これは一過性(短期的)の不眠なのだそうです。
つまり外部環境の変化は睡眠を阻害する要因になるのです。
効率よく寝るためには、睡眠前のルーティンをすると効果的だそうです。
毎日同様のルーティンを繰り返し、脳への過剰な刺激を排除する、つまり脳に「退屈」を与えることでスムースに入眠できるようになるのです。
これらの「体温の変化」「脳のスイッチ」を理解し、利用することで意図的に睡眠を促すことができます。
これらのほかにもスタンフォード大学睡眠研究所の研究に基づく睡眠の質の向上について具体例や方法論が多く記載されています。
例や方法論は非常に具体的に書かれているため自分の生活へフィードバックもしやすいでしょう。
まとめ
「スタンフォード式 最高の睡眠」 (西野精治)
価格:1,620円 |
いかがでしたか。
「寝ること」が大切、とは小学生でも知っている事実ではあります。
しかし現代社会において「毎日十分に、ぐっすりと眠れている」と胸を張って言える人は多くはないでしょう。
むしろ多くの人にとって睡眠時間を十分に確保することすら難しいというのが現状ではないでしょうか。そんな方々にとってこの本はとても有意義なものになると思います。
人は人生の3分の1を睡眠に費やすと言います。
睡眠と覚醒は切り離せない表裏一体のものであり、3分の1の睡眠の質が上がれば、残りの3分の2を占める覚醒時の質も上がることでしょう。
ぜひこの「スタンフォード式 最高の睡眠」を読んで人生の質を高めましょう!
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。